人通りの多い場所にある公衆便所はいつも混み合っている。
大便便器の列であればそれは尚更だ。
いつもは何気なしに通りすぎるのだが、電車内でくさい汁が出そうになり駅の便所に駆け込んだ時、ふと気付いた。
あそこに並んでいる人々はもれなく全員、確実に、「うんこしたい人」であり「うんこガマンしてます」と高らかに宣言している人物なのである。
手帳をぱらりとめくっていたり、携帯電話で何かを話していたり。
ただその集団に属することで、「うんこガマンしてます」と主張する。
人との触れ合いが稀薄になっている現代社会において、こんなにもコアな部分をさらけ出している集団と、その一員としての僕。
コンクリートジャングルに見た、便所という名の花壇。
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